日本財団 図書館


 

 そこで、これをもっと統一的で使いやすいものとしようと本委員会では検討してきた。それは、液状化物質とは何か、という前節までの問いと表裏一体になるものである。そこで、付録Aを前面的に書き換え、より分かりやすい表形式とすることが、本委員会での重要研究項目となっていた。すなわち、誤解のない貨物呼称を導入し、また、付録B、付録Cのように、内容のある記述を含むような形式の開発を検討してきた。それが、最終的に、DSC2/12/2としてIMOに提案できるものとして纏まった。
 日本案は、DSCの本会議において多くの参加国からの賛同を得た。これは、過去約30年以上にわたって付録Aは据え置かれており、なんらかの対応が必要であるとの認識が各国にあったからである。付録Aの変更は、たいへん根気のいる作業であり、我が国の努力、すなわち本委員会の作業がたいへん貴重なものであることを意味している。本会議の席上、議長から日本に対して謝辞が述べられ、これをE&Tグループに渡して、Draft案し、次回DSC3において決定することとした。

 

(7)おわりに
 ばら積み貨物は、そこに多種多様な性状の貨物を含むために、全体を見通して議論することが難しい。本委員会は、そのような困難な作業を3年間という短期間でおこなったわけで、参加された委員の方々のご努力によるものであることを、最後に付け加えておきたい。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION